文献詳細
原著
腎細胞癌に対するMMCマイクロカプセルを用いた腎動脈塞栓術の効果—主として組織像の変化と腎の縮小効果について
著者: 仲田浄治郎1 町田豊平1 増田富士男1 高坂哲1 大西哲郎1 鈴木正泰1 古里征国2 藍沢茂雄2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室 2東京慈恵会医科大学病理学教室
ページ範囲:P.707 - P.711
文献概要
経皮カテーテル法による腎動脈塞栓術は,腎腫瘍に対する最近の治療法の1つとして注目されており,すでに教室では1974年より本法を施行してきたが1),最近は物理的栓塞物質に代つて,化学的塞栓物質としてマイトマイシンCマイクロカプセル(MMC-m.c.)2)を使用している。本法の効果判定には,腫瘍細胞の組織学的変化とともに腫瘍の縮小率をみることが有用である。
腫瘍の縮小効果をみるためには,CTによる横断面から立体的に腎実質の体積を測定し縮小率を求めれば,従来行われてきた腎シンチグラム,腎血管撮影などによる比較より,より定量的に評価できる。そこでわれわれは腎動脈塞栓術を施行した腎細胞癌9症例について,施行前後の腎の性状,大きさをCTで計測するとともに,腫瘍の画像変化と病理組織所見とを比較検討した。
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