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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻1号

1984年01月発行

文献概要

手術手技

追加発言 1

著者: 谷風三郎1

所属機関: 1兵庫県立こども病院泌尿器科

ページ範囲:P.24 - P.25

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 われわれの施行している睾丸固定術は基本的には岩動論文とほとんど同じであるが,細部で多少異なる点もあるので簡単に述べる。
 皮膚切開は恥骨上外縁と前上腸骨棘を結ぶ線の中点上の横切開とし,皮下組織およびscarpa筋膜を皮膚切開と同方向に鋭的に切開し外膜斜筋筋膜に達する。次に外腹斜筋筋膜の外縁に沿つて下方に鋭的に剥離をすすめると容易に外鼠径輪を見つけることができる。外鼠径輪が確認できれば,外鼠径輪から鼠径管にモスキート鉗子を挿入しメスで頭側に向つて少しずつ切開し鼠径管を開放する。腸骨鼠径神経の温存には極力注意をはらう。鼠径管を開放すると通常精索が直視下に見られる。次に精索に沿つて下方に鈍的に剥離すると睾丸が視野に現れるので,これを牽引し睾丸導帯を確かめ結紮切断して睾丸を遊離する。遊離した睾丸を更に上方に牽引しながら精索に付着する小血管網や挙睾筋を集束結紮し,切断しながら精索を内鼠径輪の部分まで完全に遊離する。この際内腹斜筋を鉤で頭側に牽引すると良好な視野が得られる。次に精索に付着する腹膜鞘状突起を確認し,内鼠径輪より約2cm末梢部で小切開を加え,内面から鞘状突起を完全に横断する。通常この部分の膜は非常に薄いので裂けたり,精索血管を損傷したりしないように細心の注意をはらう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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