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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻10号

1984年10月発行

手術手技

追加発言・2

著者: 田利清信1

所属機関: 1埼玉県立がんセンター泌尿器科

ページ範囲:P.861 - P.862

文献概要

 国立がんセンター226例という多数例の小骨盤腔リンパ節郭清術を施行して到達された定型的手術手技に敬意を表します。その結果として閉鎖節領域に術後再発が多かつたとのことは,臨床医として教えられること大である。
 埼玉がんセンターはいまだ10年を経過しておらず,骨盤内リンパ節郭清の意義を結論するに到つていないが,私は,骨盤内動脈周囲をよく触診し,硬く,大きくふれるリンパ節があれば,その中枢の正常部より患部に向つてリンパ節郭清をしている。したがつて,腫瘍切除術,あるいはreductivesurgeryに近いリンパ節郭清といえる。膀胱全摘を要する膀胱癌で,内腸骨動脈一総腸骨動脈周囲のリンパ節を摘除した生検で,触診ではつきりしなかつたリンパ節で転移のあつたものはいまだ経験しておらず,リンパ節転移に関しては,触診と病理診断はよく一致し,転移と思つたリンパ節が反応性腫大のことはしばしばあり,触診診断(+)のリンパ節郭清は,転移に関しては過剰になりやすく,そのためにも必要にして十分で,膀胱全摘で全例に定型的リンパ節郭清は必要ないと思つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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