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放射線診断技術の治療への応用(4)—経皮的血管カテーテルによる精索静脈瘤の治療
著者: 栗林幸夫1 大滝誠1 勝岡洋治2
所属機関: 1東海大学医学部放射線科学教室 2東海大学泌尿器科学教室
ページ範囲:P.863 - P.870
文献概要
精索静脈瘤(Varicocele)は内精巣静脈内における静脈弁の先天的欠損あるいは機能不全のため,この静脈内を血液が腎静脈から下力に向け逆流することがその発生原因とされている1)。
精索静脈瘤は一般的には治療を必要としないことが多いが,造精機能障害が認められ男性不妊の原因と考えられる場合,また静脈瘤増大による著しい陰嚢の変形,腫大,疼痛などを生じた場合は積極的な治療の適応となる。男性不妊と精索静脈瘤との間には密接な関連があることは従来からよく知られており,Dubinら2)は1,294例の男性不妊患者を検索し,その39%は精索静脈瘤が原因であつたと報告している。精索静脈瘤が男性不妊を誘発する機序に関しては,内精巣静脈内血液逆流に起因する陰嚢内温度上昇によるとする説3,4),腎静脈や副腎静脈などカテコールアミンなどの造精機能に対し有害な代謝産物やホルモンを豊富に含んだ血液が内精巣静脈内を逆流し精巣での精子形成に障害を与えるとする説5)などがあるが,いまだ明確には解明されていない。
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