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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻10号

1984年10月発行

講座

放射線診断技術の治療への応用(4)—経皮的血管カテーテルによる精索静脈瘤の治療

著者: 栗林幸夫1 大滝誠1 勝岡洋治2

所属機関: 1東海大学医学部放射線科学教室 2東海大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.863 - P.870

文献概要

はじめに
 精索静脈瘤(Varicocele)は内精巣静脈内における静脈弁の先天的欠損あるいは機能不全のため,この静脈内を血液が腎静脈から下力に向け逆流することがその発生原因とされている1)
 精索静脈瘤は一般的には治療を必要としないことが多いが,造精機能障害が認められ男性不妊の原因と考えられる場合,また静脈瘤増大による著しい陰嚢の変形,腫大,疼痛などを生じた場合は積極的な治療の適応となる。男性不妊と精索静脈瘤との間には密接な関連があることは従来からよく知られており,Dubinら2)は1,294例の男性不妊患者を検索し,その39%は精索静脈瘤が原因であつたと報告している。精索静脈瘤が男性不妊を誘発する機序に関しては,内精巣静脈内血液逆流に起因する陰嚢内温度上昇によるとする説3,4),腎静脈や副腎静脈などカテコールアミンなどの造精機能に対し有害な代謝産物やホルモンを豊富に含んだ血液が内精巣静脈内を逆流し精巣での精子形成に障害を与えるとする説5)などがあるが,いまだ明確には解明されていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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