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原著
膀胱腫瘍に対するインターフェロン(HLBI)局注療法
著者: 森田辰男1 石川真也1 田中成美1 小林裕1 大場修司1 徳江章彦1 米瀬泰行1 湊長博2
所属機関: 1自治医科大学泌尿器科学教室 2自治医科大学アレルギー膠原病科学教室
ページ範囲:P.875 - P.878
文献購入ページに移動表在性膀胱腫瘍の治療上,再発傾向という問題は避けられず,表在性膀胱腫瘍のTUR後の再発率は約60%であり,その後の局所的化学療法を追加しても,再発率は約40%といわれている1)。このように,表在性膀胱腫瘍に対する治療方法は確立されたものとは言い難い。そこで,近年,従来の手術,化学療法に加えて,様々な生物学的活性物質を用いた,いわゆる免疫療法が膀胱腫瘍に対して行われてきている。なかでも,インターフェロンは生物学的作用・構造ともに十分に明らかにされた物質であり,臨床的に種々の悪性腫瘍に用いられつつある。悪性腫瘍に対するインターフェロンの効果は,未だ明確なものではないが,Melanoma2),Multiple myeloma3), Lymphoma4),Renal Cell CarCinoma5)などにおいてインターフェロンの有効性を示す報告がみられてきている。しかしながら,膀胱腫瘍に対するインターフェロン療法の報告は少ない。今回,われわれの経験した膀胱腫瘍に対するインターフェロン療法を報告する。
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