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原著
泌尿器科系悪性腫瘍に対するNMR-CTの応用(2)—前立腺癌における有用性について
著者: 鳥居伸一郎1 町田豊平1 三木誠1 柳沢宗利1 多田信平2 畑雄一2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室 2東京慈恵会医科大学放射線科学教室
ページ範囲:P.961 - P.966
文献購入ページに移動近年における画像診断法の進歩はめざましく,前立腺においてもわれわれはX線CTや超音波断層法により診断や治療に有用な情報を得ることができる。また最近さらに新しい断層法としてNMR-CTの臨床への応用が試みられており,骨盤内臓器はNMR-CTの画像診断のよい対象となる。すなわち骨盤内臓器は腹部臓器に比べて呼吸性移動や腸蠕動の影響が少なく,小骨盤内脂肪組織や腸管ガス,膀胱内の尿,骨盤骨など,プロトン密度や緩和時間の異なつた組織が多いため,適切なパルス系列とそのパラメーターを選択することによつて,コントラスト分解能は向上するからである。また矢状断も撮影可能で,さらに生殖器に近い組織に対しても放射線被爆がなく,頻回に撮影できる利点を持つている。今回われわれは東芝NMR-CT MODEL MRT 15Aを使用し,前立腺癌10例においてX線CTと比較し,画像診断法としてのNMR-CTの有用性を検討した。
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