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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻11号

1984年11月発行

原著

精索静脈瘤における精巣静脈造影法の診断的意義と治療への応用

著者: 勝岡洋治1 星野英章1 中島登1 白水幹1 栗林幸夫2 大滝誠2

所属機関: 1東海大学医学部泌尿器科学教室 2東海大学放射線科学教室

ページ範囲:P.973 - P.977

文献概要

緒言
 精索静脈瘤は一般に加療する必要のないことが多いが,次にあげるような適応症には根治的手術が積極的に行われている。1)著しい陰嚢の変形,2)陰嚢部疼痛,不快感,3)静脈瘤が急速に増大する場合,4)症候性静脈瘤,5)造精機能障害が認められる場合,などである。最後の項目については近年,男子不妊症の有力な原因として注目されており,治療後に妊娠成立率が圧倒的に高く,諸家の報告では30〜50%に妊娠の成立をみている1,2)
 ところで精索静脈瘤に対する根治術としては古くはもつぱら怒張している静脈瘤の切除が行われてきたが,この方法では内精巣静脈を通じて,うつ血の原因に対しての処置が講じられていないため,高頻度に再発がみられた。そこで今日では内精巣静脈の高位結紮法が一般化している。通常の静脈分布からみれば高位結紮が内鼠径輪の高さで行われることで十分に治療の目的を達しているが,それでも無効例が0.2〜25%にみられる3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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