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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻12号

1984年12月発行

文献概要

文献抄録

前立腺手術後の尿失禁防止法について

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.1058 - P.1058

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 著者らは,前立腺手術後の尿失禁・腹圧失禁に対してpolytetra-fluoroethylene(Teflon)軟膏を尿道粘膜下に注射し,これによる尿道抵抗の増加で,尿失禁防止を試みてその成績を報告している。治療した症例は69症例で,前立腺手術法により,これらを3群に分類して結果を検討した。第1群の27例は前立腺TUR症例,第2群の15例は開腹的前立腺腺腫摘出症例,第3群の27例は開腹的前立腺全摘出後一部に放射線照射治療を行つた症例である。これらの全症例は,従来行われている尿失禁の手術あるいは処置によつて改善が得られずに1年以上尿失禁または腹圧性尿失禁に悩まされている患者であつた。治療法としては患者はすべて人院の上,術前後には十分な抗生物質を投与し,治療前の勃起状態,性交能力の有無について問診する。テフロン軟膏の注射は十分な視野のある尿道鏡を用いて,外尿道括約筋に相当する位置またはそのやや末梢部位で,時計の3,6,9,12時の粘膜下に注射する。注射量は1箇7オンス入りのチューブを2〜3本使用する。注射終了後は12Fr.カテーテルを留置する。自排尿は翌日から行わせ,坐浴は1〜3週つづける.治療後の治癒判定は,失禁から解放された者を治癒とし,患者自身が失禁や腹圧失禁がほとんどなくなつたと思う者を改善例とし,失禁の改善のない例を不成功とした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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