臨床泌尿器科38巻12号

1984年12月発行

症例

副腎髄質に発生した形質細胞肉芽腫の1例

著者： 福井耕三¹ 高橋伸也¹ 渡辺耕平¹ 鈴木唯司¹ 下山則彦² 菅原伸樹³

所属機関： ¹弘前大学医学部泌尿器科学教室 ²弘前大学医学部第一病理学教室 ³黎明郷リハビリテーション病院内科

ページ範囲：P.1075 - P.1077

緒言
　形質細胞肉芽腫plasma cell granuloma　（PCG）は，非常に稀な疾患であり，これまで報告された症例の大部分は，肺あるいは上気道に発生したものである^1,7〜10）。呼吸器を除いては，いまだ胃^2,3），肝^4），甲状腺^5），後腹膜^6）に発生した数例の報告をみるのみである。今回われわれは副腎髄質に発生したPCGを経験したので，若干の文献的考察を加えて報告する。