icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻2号

1984年02月発行

文献抄録

Hemiacidrin腎盂内灌流による結石溶解

ページ範囲:P.151 - P.151

文献概要

 燐酸アンモニウムマグネシウムと燐酸石灰を含む鋳型腎結石の手術による完全摘出はなかなか困難で,取り残し,いわゆる仮性再発は約40%に見られる。現在までに10%Hemi-acidrinによる結石溶解の成績は報告者により73%から100%と幅があるが,溶解後の長期予後の報告はない。そこで著者らは25症例(27腎)の結石術後にHemiacidrin灌流を行つて平均66カ月の経過を観察して報告している。この25症例はいずれも感染を伴つた燐酸アンモニウムマグネシウム結石で,これらに対し2例の四肢麻痺者には経皮的腎瘻設置で灌流,4例は結石を完全に摘除し得たが,再発予防のために短時間灌流を行い,他の19例は腎切石術後大小の差はあつたが,仮性再発結石を確認したので腎瘻管より灌流を行つた。術前の感染菌は20例が変形菌であつた。灌流を行うに先だつて,まず抗生物質投与により可及的に尿を無菌にしておく必要がある。また灌流中腎盂内圧が,中心静脈圧(25cm水柱)を越えないように灌流システムを管理することが大切である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら