文献詳細
交見室
コアグラム腎盂切石術後の急性肝炎/経尿道的前立腺剥離切除術
著者: 岡根谷利一1 平岡保紀2
所属機関: 1信州大学泌尿器科 2日本医科大学泌尿器科
ページ範囲:P.272 - P.272
文献概要
fibrinogenなどの血液製剤を使用する場合,多くは同時に輸血も行つているため,肝炎発症の原因を特定できないことが多い。血液,特に血漿製剤中に肝炎ウイルスが含まれていることは十二分にありうることであり,非A非B型肝炎ウイルスの有無については使用前に知ることができないため,常に感染の危険があると考えてよい。しかも輸血後の非A非B型肝炎と同様に遷延化,慢性化傾向が強いと思われるので,事は重大であり,血液製剤使用後の肝機能検査を行うべきである。肝炎発症の際は同じlot numberの製品を検査する必要があるが,本例では製剤メーカーの調査によれば,同lot numberからの発症はないそうである。
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