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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻4号

1984年04月発行

綜説

顕微鏡的血尿の臨床的意義

著者: 佐藤昌志1 越川昭三1

所属機関: 1昭和大学医学部藤が丘病院内科

ページ範囲:P.281 - P.289

文献概要

はじめに
 血尿とは尿中に赤血球が混入していることで,顕微鏡下でなければ判定できないような顕微鏡的血尿と肉眼で明らかにわかるような肉眼的血尿とがある。後者の場合には患者自身が発見し驚きのあまりに外来を訪れるというケースが圧倒的に多いが,前者の場合ではそういうことはない。しかし,最近では学校,職場および保険加入時などに検尿する機会が多くなり,顕微鏡的血尿のみを主訴として病院を訪れるケースも多くなつた。顕微鏡的血尿でも,肉眼的血尿でもその後のアプローチの仕方は基本的には大差はないが,頻回の検尿の結果が得られれば臨床診断の手助けになることは明らかである。この場合に,内科的疾患による血尿か,泌尿器科的疾患による血尿かの鑑別が最も重要であり,特に尿路系の悪性腫瘍を十分に考慮しておかねばならない。しかし,実際の診療に当つていると,最新の検査手段を用いても血尿の原因や原疾患の確定診断が極めて困難なことが多く,経過を観察するに留まる場合も少なくない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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