icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻5号

1984年05月発行

綜説

インポテンスの治療

著者: 加藤隆吉1

所属機関: 1東京催眠心理研究所

ページ範囲:P.369 - P.377

文献概要

はじめに
 1935年頃より男女とも性不全を訴える患者の発生が顕著となり,1979年頃から急激な増加をみせている(第1図)。女性の性障害は,他の心因性疾患などの治療過程から発見されるケースが多く,直接訴える者は僅かであり,他に症状がないと治療しないケースがほとんどである。これに対して男性の性不全は直接性行為に支障をきたすので,女性のように潜在的なものは少なく,性障害の症状は顕著であり,自覚も確かである。しかし,必ずしも受診動機があるとはいえないのである。本治療には性差があり,性交がセックシァル・パートナー(S.P.と称す)との合意の上においてなされるため,極めて重要な力動性の諸問題がある。
 インポテンスは男性の性能力的機能障害ばかりでなく,社会性に乏しく人格や性格に要因を持つため,性生活が基本となり社会生活にまで侵害される虞がある。また伴侶となつた女性の悲運も大きな社会問題となりうるものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら