文献詳細
原著
経尿道的超音波断層法による膀胱癌浸潤度判定の検討
著者: 打林忠雄1 上木修1 三崎俊光1 久住治男1
所属機関: 1金沢大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.401 - P.404
文献概要
膀胱腫瘍の治療法および予後に関与する重要な因子は,その浸潤度である。その診断法としては,従来より排泄性腎盂造影,膀胱造影および骨盤動脈造影などのX線学的検査法の他に,膀胱鏡検査さらに麻酔下双手診などが施行されてきた。これら諸検査のうち高い正診率が得られている骨盤動脈造影も,患者に対する侵襲が大であるのみならず,死亡例を含む合併症1)が問題であり,当然侵襲度が小さく,かつ正確な診断法が望まれるところである。近年中村らが開発した経尿道的超音波断層法2,3)は,膀胱壁内腫瘍などの比較的正確な情報を得ることが可能であるとされている。今回著者らは膀胱癌症例の浸潤度判定に関して従来の内視鏡的検査およびX線学的検査に加えて,経尿道的超音波断層法を施行し,その有効性について検討したのでその成績を報告する。
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