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原著
前立腺癌に対する集団検診方式
著者: 宇佐美道之1 細木茂1 古武敏彦1 小西正光2 飯田稔2
所属機関: 1大阪府立成人病センター泌尿器科 2大阪府立成人病センター集団検診第1部
ページ範囲:P.405 - P.408
文献購入ページに移動欧米における発生頻度が高く,とくに米国では男子臓器別悪性腫瘍死亡率の第2位を占める前立腺癌は,わが国においても1950年の訂正死亡率が0.38であるのに1974年では2.26と6倍増と近年,死亡率さらには発生率ともに急速なる増加を示している。一方,早期前立腺癌は臨床症状をほとんど呈することがなく,診断時すでに浸潤あるいは転移を有する進行癌となつている場合が多い。当科における前立腺癌症例をみても,stage A (潜在癌)9.5%,stage B (早期癌)24%, stage C (浸潤癌)36.5%,stage D (転移癌)30%とすでに初診時にstage C, Dの進行癌である症例が2/3を占めている。また各群の予後に関しては,5年相対生存率でみると,それぞれ97.4%,88.9%,47.2%,45.6%と進行癌では不良である。したがつて前立腺癌治療においては,疫学および進展予防からなる癌予防学の意義は大きい。これらの見地から,著者らは根治性を望み得る早期前立腺癌の発見は集団検診方式によらねばならず,また疫学的調査も含まれるべきであると考え,1982年より能率的な前立腺癌集団検診方式の開発に取組んでいるのでこれまでの結果を報告する。
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