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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻8号

1984年08月発行

文献概要

原著

順向性恥骨後式根治的前立腺全摘術の経験

著者: 岡田清己1 熊谷振作1 北島清彰1 岸本孝1

所属機関: 1日本大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.689 - P.692

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緒言
 前立腺全摘術は会陰式ないしは恥骨後式の経路で行われているが,根治性を求めるのであれば恥骨後式の方が優れているといえる。恥骨後式前立腺全摘術の多くは成書に記載されているごとく,尿道膜様部の剥離,切断から行う,いわゆる逆行性型の方法が一般的であり,最近の本邦の報告例でも大部分は逆行性型である1)。一方,膀胱前立腺移行部を最初に切断する順向性型の前立腺全摘術はCampbellの報告2)以来,少数の論文3,4)が散見されるのみで諸外国でも普及しているとはいえない。しかし,本法は種々の利点を有することが指摘され4),また本法の操作過程は膀胱全摘術のそれに類似しており,なじみやすいといえる。以上のことより,われわれはリンパ節郭清も行う順向性恥骨後式根治的前立腺全摘術(以下,順向性全摘術)を10例の前立腺癌患者に行つた。以下,本術式および自験例を提示し,本法の有用性に関し検討してみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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