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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻9号

1984年09月発行

綜説

膀胱の感染防御機構

著者: 折笠精一1

所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.745 - P.756

文献概要

 膀胱は本来無菌的な所であり,たとえ細菌が膀胱内に入つても必ずしも膀胱炎とはならないことは周知の事実であろう。尿道の解剖学的構造から,婦人の膀胱内には細菌が度々侵入していると考えられる割には,実際に膀胱炎に罹患する人は少ない。その理由は,これから述べる感染防御機構が膀胱にあるからである。
 膀胱の感染防御機構に関する研究は,Cox-Hin-manの有名な1961年の実験(健常者膀胱へ細菌を注人しても,細菌はたちまち消失し膀胱炎にはならない)に代表されるように,古くから行われ,この数年再び盛んになつてきた感がある。本テーマは膀胱炎発症機序とともに,泌尿器科領域で最も素朴な,基本的かつ重要な問題である。文献的考察は別の機会にゆずるとして,以下教室の研究成果をもとに述べることにするが,なお未解決の問題も多く今後さらに研究を続ける必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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