文献詳細
症例
文献概要
緒言
尿路結石を有し,高カルシウム(Ca)血症を示せば,まず第1に上皮小体機能亢進症が疑われる。検査の結果は上皮小体機能亢進症を示すが,尿中Ca排泄量が約110mg/dayとこの疾患にしては低値であつた例に遭遇した。蓄尿条件を変えてもCa量は変わらず,腎機能は正常であつた。疑問に思いつつ上皮小体の手術を行つたが,やや腫大した2腺しか発見できず,術後も高Ca血症は続いた。その後まもなく,家族性低Ca尿性高Ca血症,familial hypocalciuric hypercalcemia (以下FHHと略す)なる症候群が紹介されているのを読み1),上皮小体機能亢進症で腎機能が正常であるのに尿中Ca排泄量が低いことは,重要な所見であることを知つた。その後も類似した症例を見出したが,ともに家系調査を十分に行い得ず,家族性か否かは不明であるため,低Ca尿性高Ca血症として報告する。
尿路結石を有し,高カルシウム(Ca)血症を示せば,まず第1に上皮小体機能亢進症が疑われる。検査の結果は上皮小体機能亢進症を示すが,尿中Ca排泄量が約110mg/dayとこの疾患にしては低値であつた例に遭遇した。蓄尿条件を変えてもCa量は変わらず,腎機能は正常であつた。疑問に思いつつ上皮小体の手術を行つたが,やや腫大した2腺しか発見できず,術後も高Ca血症は続いた。その後まもなく,家族性低Ca尿性高Ca血症,familial hypocalciuric hypercalcemia (以下FHHと略す)なる症候群が紹介されているのを読み1),上皮小体機能亢進症で腎機能が正常であるのに尿中Ca排泄量が低いことは,重要な所見であることを知つた。その後も類似した症例を見出したが,ともに家系調査を十分に行い得ず,家族性か否かは不明であるため,低Ca尿性高Ca血症として報告する。
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