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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科38巻9号

1984年09月発行

症例

低Ca尿性高Ca血症の2例

著者: 平石攻治1

所属機関: 1徳島大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.817 - P.820

文献概要

緒言
 尿路結石を有し,高カルシウム(Ca)血症を示せば,まず第1に上皮小体機能亢進症が疑われる。検査の結果は上皮小体機能亢進症を示すが,尿中Ca排泄量が約110mg/dayとこの疾患にしては低値であつた例に遭遇した。蓄尿条件を変えてもCa量は変わらず,腎機能は正常であつた。疑問に思いつつ上皮小体の手術を行つたが,やや腫大した2腺しか発見できず,術後も高Ca血症は続いた。その後まもなく,家族性低Ca尿性高Ca血症,familial hypocalciuric hypercalcemia (以下FHHと略す)なる症候群が紹介されているのを読み1),上皮小体機能亢進症で腎機能が正常であるのに尿中Ca排泄量が低いことは,重要な所見であることを知つた。その後も類似した症例を見出したが,ともに家系調査を十分に行い得ず,家族性か否かは不明であるため,低Ca尿性高Ca血症として報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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