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手術手技
下大静脈内腫瘍血栓除去術
著者: 里見佳昭1
所属機関: 1横須賀共済病院泌尿器科
ページ範囲:P.15 - P.22
文献購入ページに移動腎癌における下大静脈腫瘍血栓の頻度は5%内外で,決して稀なものではなく,本邦でもこのような症例に対し積極的に腫瘍血栓除去術を行つた報告を散見するようになつている。腫瘍血栓を伴う症例の予後は必ずしも不良のものばかりでないという成績がこの手術を積極的に推進する拠り所であるが,他の理由として,最近インターフェロンを初めとして,僅かではあるが有効な化学療法が開発され,腎癌においてもreduction surgeryの意義が従来より増大している。転移部位も含め,可能な限り癌組織を減ずることが腎癌の手術の目標であり,泌尿器科医にとつて下大静脈腫瘍血栓除去術は避けられない重要な手術になつて来ている。
この手術は腫瘍血栓の浸潤の程度により,手術方法も異なつて来るもので,特に横隔膜より中枢側,右心房にまで浸潤した腫瘍の場合は心臓血管外科の協力が必要となり,著者はこのような手術の経験はないため,省かせていただいた。
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