icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科39巻1号

1985年01月発行

手術手技

追加発言 1

著者: 小松秀樹1

所属機関: 1山梨医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.22 - P.23

文献概要

 主幹肝静脈以下の腫瘍血栓に関しては里見論文に詳述されている。本稿では横隔膜に及ぶ腫瘍血栓に対する筆者の経験を述べる。
 術中の肺塞栓を防ぐには腫瘍血栓上端より近位で下大静脈を阻血しなければならない。しかし,肝静脈より上で下大静脈を阻血すると血液の還流不足により血圧は下降する。これに対処する方法としては体外循環がある。しかし,超低体温下に完全循環遮断をしない限り,肝静脈からの大量出血は避けられない。この血液は吸引管から体外循環回路にもどされることが多いが,腫瘍細胞の全身播種の可能性は否定できない。血栓が右心房内に進展していない場合は,下大静脈と同時に大動脈を腹腔動脈の近位で遮断する方法1)がとれる。筆者の症例を含め2例の報告しかないが,良好な結果が得られている。以下,筆者が行つた手術の概略を記す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら