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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科39巻10号

1985年10月発行

文献概要

特集 インポテンスの診断と治療

勃起機能検査—性的刺激負荷検査を中心に

著者: 高波真佐治1

所属機関: 1東邦大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.815 - P.817

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 インポテンスの診療に際して最も大切なことは,インポテンスの発生原因が器質的障害によるものか,機能的障害によるものかを客観的に鑑別することである。その理由は両者ではその治療法がまつたく異なるからである。そこで,東邦大学大森病院リプロダクションセンター泌尿器科部門では,まずインポテンス研究会共通カルテに従つた問診ならびに質問紙法による心理テストの後,以下の勃起力検査を行つている。
 まず,勃起を促すための性的刺激として,視聴覚性的刺激(audio Visual scxual stimulation;AVSS),すなわちビデオによる性的刺激負荷を行つている。そして,AVSS負荷前後の陰茎皮膚温度の変化1,2),陰茎周径増大率3),陰茎硬度4)の変化の三者を記録している。陰茎皮膚温度測定は,リプロダクションセンター開設当初より行つている方法で,陰茎背部と対照として下腹壁の皮膚温度を深部温度計を使用して測定するものである。陰茎皮下にはほとんど脂肪組織がないため,海綿体への血液流入がただちに温度上昇として陰茎皮膚温度に反映されるので,陰茎勃起を温度上昇として間接的にとらえることができる訳である。プローブの構造が単純なために堅牢であるが,勃起の程度と温度上昇が必ずしも一致しないために,おおまかな勃起の程度はわかるが細かい定量は不可能であるという欠点がある(しかし,陰茎周径増大率との間には危険率5%以下で相関が認められる)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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