icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科39巻12号

1985年12月発行

文献抄録

前立腺癌の排尿障害に対する内分泌療法/Pyronie's Diseaseの放射線体外照射治療について

ページ範囲:P.988 - P.988

文献概要

 進行性前立腺癌による排尿障害の治療法はいろいろあるが,その選択については諸家の意見は一致していない。経尿道的前立腺切除術(TUR-P)は安全で速効があり信頼しうる方法とされているが,最近ではTUR-Pは癌細胞の散布,転移形成などでかえつて予後を悪くする(McGovanら,1980)との報告がある。進行性前立腺癌(stage C, D)による排尿障害に対して内分泌療法は,前立腺を縮小させて排尿を可能にすることはよく知られているが,従来まとまつた報告は少ないので,著者らは40症例について検討して報告している。
 症例はstage C 10例,stage D09例,stage D1(リンパ節転移)1例,stage D2(骨転移)20例で,何れも排尿障害を強く訴えている。内分泌療法として両側除睾術により経過を観察したが,3例は死亡し,2例はTUR-Pを併用したので,これら5例は除外された。すなわち除睾術のみにより観察した35例の成績は,9例(25.7%)は術後1週間の導尿を必要とし,16例(45.7%)は3ないし9週間の導尿後排尿は自由になつた。また10例(28.6%)は術後3ヵ月以内にTUR-Pを必要とした。以上から35例中24例(68.6%)は除睾術により排尿可能となつた。これらの症例では,癌のstageと排尿効果の間には特に相関はみられず,gradeとの間では癌の分化度が高いほど排尿効果が良かつたといえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら