文献詳細
症例
脂肪性髄膜瘤による尿失禁に対するStamey法の経験
著者: 加藤久美子1 近藤厚生1 瀧田徹1 三矢英輔1
所属機関: 1名古屋大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.1041 - P.1044
文献概要
神経因性膀胱の尿路管理において尿失禁は重要な問題であるが,従来ややもすると上部尿路の荒廃につながる残尿,尿路感染,膀胱尿管逆流などの問題に比べ軽視され,時には外尿道括約筋切開術におけるように犠牲にされる傾向があつた。しかし,尿失禁のある患者,中でもオムツに依存しなければならない成人女性の社会生活上の制約,精神的苦痛には看過できぬものがある。名古屋大学泌尿器科学教室では1983年より腹圧性尿失禁に対しStamey法を採用し良好な成績をあげてきた1)。本邦でおそらく初めてStamey法を神経因性膀胱に応用した脂肪性髄膜瘤の1例は,神経因性膀胱の尿失禁対策に一石を投じるものと考え,ここに報告する。
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