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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科39巻2号

1985年02月発行

文献概要

手術手技

追加発言 2

著者: 小川由英1

所属機関: 1順天堂大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.110 - P.112

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 重複腎はCampbcllによると150人に1例とされ,さほど珍しい奇型ではない。しかし,重複腎の病巣除去の目的で腎の一区域を切除する手術に遭遇することは稀である。ところで,題名の"半腎摘除術"の意味は"半腎"ではなく,腎の"区域(部分)"の方が適切であるとして1975年BoyceがGlennのUrologic Surgery中で述べている。その後Heminephrectomyの用語はCampbell'sUrology中でも用いられなくなつている。そこでこの論文中で著者は腎部分切除術を同義語として用いていることを了承していただきたい。
 著者自身の経験で重複腎部分切除術に関する報告は2症例のみである。第1例は慶応大学在職中に経験した36歳男性で,血尿と右腹部腫瘤の訴えにて精査された。切除した上腎は形成不全腎で,第1,2図に示したごとき拡張した腎盂を伴つた右尿管精嚢閉口であつた1)。第2例は国立霞ヶ浦病院にて経験した2歳女児で,尿路感染症の精査の結果発見された両側異所性尿管瘤であつた。上腎は形成不全腎で巨大尿管を両側とも伴つていた。腹部正中切開で経腹的に両上腎尿管切除および尿管瘤切除を施行した。そのため膀胱三角部が破壊され,両側尿管新吻合を合わせて行つた2)。約5時間の手術であつた。これらの症例および他の腎部分切除の経験3)より多少の追加意見を述べることをお許し願いたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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