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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科39巻3号

1985年03月発行

綜説

マイクログロブリン測定の臨床的意義

著者: 河合忠1

所属機関: 1自治医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.183 - P.191

文献概要

はじめに
 各種の電気泳動法やクロマトグラフィ技術の進歩によつて血漿や尿およびその他の蛋白成分の分離分析が著しく普及し,日常臨床に不可欠の検査となつている。近年では,免疫化学的分析法も加えられて,血漿蛋白質も80有余種の成分が同定され,それらの機能も順次解明されている。その中には,いわゆるpassenger proteinsといわれる微量蛋白成分が数多く含まれている。すなわち,凝血因子や免疫グロブリンのように血中で本来の機能を発揮するのではなく,特定の細胞から分泌または漏出した蛋白成分が血管内を通過し,本来の標的組織に運ばれるか,あるいは体外に排出される場合である。これらの多くは,血中にごく微量存在するに過ぎないため,血液から分離精製することはきわめて困難である。しかし,ある程度分子量の小さな蛋白成分であれば容易に尿中に移行するため,多量の尿を濃縮することによつて,分離精製が可能となる。このようにして,近年いくつかの新しい低分子蛋白が尿中より分離され,注目されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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