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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科39巻3号

1985年03月発行

手術手技

迫加発言・1

著者: 上田公介1 大田黒和生1

所属機関: 1名古屋市立大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.197 - P.198

文献概要

 尿管膀胱吻合術—Boari法を行う場合,もつとも重要な点は術後の合併症である吻合部の狭窄をいかに予防するかということである。その理由として,この手術は婦人科や外科における骨盤内手術,殊に悪性腫瘍の根治手術に際して発生した尿管損傷に対して適用される場合が多く,なるべく一度の手術で成功させ,患者への負担を少なくすることがあげられる。またもう一つの術後合併症である膀胱尿管逆流現象は,臨床的にあまり問題となることが少なく,むしろ吻合部狭窄のための水腎症や尿路感染あるいは尿漏やそれに伴う創感染の方が問題が大きく,腎機能保全のための腎瘻術や再手術の必要が生じてくる。筆者らは以上のような考え方に基づき,以下の点に注意しながら本術式を行つている。
1)まず尿管の切除範囲を慎重に決定する。尿管下端部の狭窄部,損傷部,閉塞部などを追究し,その周囲の状況を調べ,尿管の性状より残すべき尿管の長さを決める。この場合,尿管の血管分布にも注意を払う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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