臨床泌尿器科39巻3号

1985年03月発行

症例

膀胱内に原発性腺癌と移行上皮癌を異所性に同時発生を認めた1例

著者： 下山茂¹ 福士実¹ 川嶋修¹ 大和健二¹ 熊谷宏²

所属機関： ¹青森県立中央病院泌尿器科 ²青森県立中央病院病理

ページ範囲：P.235 - P.237

文献概要

緒言
　膀胱腺癌は，全膀胱悪性腫瘍中0.5〜2.0％で認められるにすぎず，さらに原発性腺癌は非常に稀な疾患である。われわれは，ムチン産生の原発性腺癌と移行上皮癌が膀胱内の別々の部位に同時発生を認めた1症例を経験した。2種の原発性腫瘍が，膀胱内で異所性に同時発生することは極めて稀で，文献上，本邦においては他の報告例を認めていない。