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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科39巻4号

1985年04月発行

講座 性行為感染症(STD)の診断と治療

IV.クラミジア,ウレアプラズマ

著者: 斉藤功1

所属機関: 1東京共済病院泌尿器科

ページ範囲:P.293 - P.299

文献概要

はじめに
 Sexually Transmitted Diseases (STD)の原因微生物としてChlamydia trachomatis,Mycoplasma,Ureaplasma urealyticumが注目されている。C.tra-chomatisは男性の尿道炎,特に非淋菌性尿道炎(nongonococcal urethritis:NGU)のおよそ40%,淋疾とはおおよそ30%が共存していることが判明している。さらに副睾丸炎,前立腺炎や,男性罹患者に接した女性の60〜70%がC.trachomatis陽性であることも判明しており,感染した母親の産道を通る際,新生児への垂直感染は,結膜炎から肺炎の危険性が問題となつている。このためクラミジア感染症を適切に診断するにはこの微生物の検出が大切であるが,他の細菌の培養と比べ操作が難しく,時間を要したため一般化するのにかなりの年月を要した。わが国でもここ数年,組織培養あるいはモノクロナール抗体を利用した螢光抗体法による診断が広く行われるようになつてきた。
 この感染症は男女ともに症状が軽いか,あるいは無症候性であることが多い。特に女性の場合は半数以上がまつたく自覚症状を持たない。このようなことから,この感染症は最初女性で発見されることは稀であり,通常男性を診断してからその接触者を追跡し,診断,治療することになる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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