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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科39巻5号

1985年05月発行

講座 性行為感染症(STD)の診断と治療

V.性器ヘルペス,尖圭コンジローム

著者: 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.407 - P.411

文献概要

 性器ヘルペスと尖圭コンジロームは,皮膚科外来でしばしばみられるSTDであり,梅毒,軟性下疳などの性病が激減したのに対して,最近ではウイルスなど非細菌性の病原体によるSTDが増加する傾向にある。性器ヘルペスは数年前に米国での急増が大きな社会問題となり,その影響でわが国のジャーナリズムが騒ぎ過ぎた感もあるが,皮膚科外来を訪れる患者数は明らかに増加しつつあり,とくにこれまではほとんどみることのなかつた成人の初感染である急性型単純ヘルペス感染症をしばしばみるようになつてきている。またSTDは,すべてが性行為によつて感染するわけではないが,性病に感染したという罪悪感にさいなまれ,加えてきわめて難治性であるために,ヘルペスノイローゼともいうべき患者をみるようになつた。こうした疾患が増加した理由としては,性習慣が変わつてきたことにもよるが,ピルの普及によりコンドームを使用しなくなつたということも一つの理由と考えられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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