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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科39巻7号

1985年07月発行

綜説

尿細管由来の尿蛋白

著者: 折田義正1 堀尾勝1

所属機関: 1大阪大学医学部第一内科学教室

ページ範囲:P.547 - P.557

文献概要

はじめに
 尿細管由来の蛋白として,健常人にみられるものは,尿細管分泌糖蛋白であるTamm-Horsfall蛋白と尿細管上皮細胞が尿中に崩壊することによりみられる,いくつかの酵素である。Tamm-Horsfall蛋白は尿細管のセグメントのうち,太いヘンレ上行脚と遠位曲尿細管に限局して存在すること,電解質濃度に依存して,可逆的な凝集反応をおこし,ゲル化する特異的な生化学的性質をもつこと,最近太いヘンレ上行脚のNaCl輸送を阻害するループ利尿薬であるフロセマイドに対しレセプターをもつことなどから,このセグメントにおける電解質再吸収において重要な生理的役割をもつものとして注目されている。また間質性腎炎の中にはTamm-Horsfall蛋白の沈着が間質に存在する例があることや,Tamm-Horsfall蛋白に対する自己抗体の存在例も報告されており,病態面でも注目されている。
 酵素に関しては,尿細管細胞は下部尿路に比較して酵素に富み,正常時でも尿中には尿細管由来の酵素が多く認められる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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