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原著
腎癌における腫瘍マーカーの有用性について
著者: 神田裕三1 石井勝2 田利清信3 佐竹一郎3
所属機関: 1埼玉県立がんセンター内科 2埼玉県立がんセンター臨床検査部 3埼玉県立がんセンター泌尿器科
ページ範囲:P.579 - P.583
文献購入ページに移動近年,種々の腫瘍マーカーが開発され,癌の臨床に利用されつつあるが,腎細胞癌に関するマーカーの報告が乏しいのが現状である。しかしながら既存の腫瘍マーカーが,腎癌においてどのような臨床的価値を有するのか評価することも極めて意義があると考えられる。ところで既知の腫瘍マーカーは肝細胞癌あるいは睾丸腫瘍におけるα-fetoproteinのように臓器特異性の高い腫瘍マーカーと,carcinoembryonic antigen(CEA)などの臓器非特異的なマーカーに分類されるが1),著者らは後者に属するbasic fetoprotein(BFP),tissuepolypeptide antigen(TPA)およびimmunosup-presive acidic protein(IAP)について腎癌の診断,治療効果,病状経過のモニタリングなどの臨床的有用性を検討したので報告する。
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