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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科39巻9号

1985年09月発行

綜説

特発性過カルシウム尿症について

著者: 八竹直1

所属機関: 1旭川医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.723 - P.733

文献概要

はじめに
 最近,尿路結石症に対して体外衝撃波砕石術や経皮的腎結石摘出術などの画期的な治療法が紹介され,かつ急速に普及しつつある。その成果はあまりにも鮮やかで,この疾患はもうすべて解決したように錯覚させられる。それゆえ尿路結石発生に関する研究やその再発予防の検討などはひどく色褪せてみえる。しかし,いくら治療法が進歩したとしても,この疾患が無くなるのではない。尿路結石を発見すれば,その原因を詳しく検討することもなく,ただ砕いて除けば,それで終りというような風潮になることを非常に憂える。
 日本人は推計学的には100人中約4人が尿路結石に一生のうちには罹患するといわれる1)。また,今までの治療後の再発率も18%とも47.9%とも報告されている2,3)。これらの率を下げ,一人でも苦痛に悩まされる患者を少なくするためにはまだまだ基礎的な研究が必要である。本稿はこの尿路結石症の発生原因究明におけるカルシウム(以下Caと略す)の代謝の異常,特に特発性過Ca尿症について述べたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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