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症例
ネオスチグミン人工射精により女児を得た脊髄損傷者の1例
著者: 小谷俊一1 近藤厚生2 瀧田徹2
所属機関: 1中部労災病院泌尿器科 2名古屋大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.785 - P.787
文献購入ページに移動近年,脊髄損傷者の整形外科的治療,尿路管理,リハビリテーションなどの進歩は目ざましいものがあり,これらに伴い,彼らの社会復帰や雇用,さらには結婚といつた問題がクローズアップされてきた。そして彼らの中には現実に実子を希望する者も存在する。われわれはこれら実子希望の男性脊損者に対してGuttmann & Walsh1)により考案されたクモ膜下腔硫酸ネオスチグミン注入による人工的射精誘発法を応用し,本法により採取できた精液により配偶者間人工授精(artificialinsemination with husbands semen,以下AIHと略す)を施行してきたが,今回この方法により妊娠,分娩に成功した1例を経験したので報告する。
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