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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科40巻1号

1986年01月発行

文献抄録

Neodymium Yag Laserによる間質性膀胱炎の治療

ページ範囲:P.17 - P.17

文献概要

 著者らは1982年から,5名の強い膀胱症状を訴える間質性膀胱炎症例を,neodymium Yag laserにより治療して好成績を得て報告している。これらの症例は5年以上にわたつて強い膀胱症状に悩まされ,いろいろな治療を試みたが無効であつた。間質性膀胱炎の診断は,膀胱鏡所見,生検による組織所見,細胞診,尿培養などにより殊に粘膜上皮癌との鑑別に注意した。5名中3名に膀胱鏡で典型的なHunnerの潰瘍が認められた。治療はlaser beamを前後に移動させながら,潰瘍部,その周囲の炎症を思わせる発赤部を照射し,照射野が白色化するまで行つた。また尿管口を除く三角部全体と側壁の炎症部を完全に照射した。この治療による入院期間は1〜2日で,治療による副作用は軽微で,1例に術後出血を認めたのみで,これはlaserで処置をした。
 5名の治療成績は,膀胱容量は全例増加を示し,術前は100〜120mlのものが6週後には2倍以上の200〜300mlになつた。排尿回数は6週後の調査で10分の1程度に減少した。また膀胱痛も全例で消失した。以上の結果から経過観察期間が14カ月と短いが,全例で間質性膀胱炎の症状から解放された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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