文献詳細
手術手技
文献概要
はじめに
膀胱尿管逆流症(以下VUR)に対する逆流防止術は種々の術式が提唱されているが,乳児や神経因性膀胱を伴う症例に対する術式としてはなお改善の余地があると思われる。乳児に対しては,尿管を剥離して再吻合する術式では尿管狭窄を作る可能性があるために,手術を躊躇されがちである。神経因性膀胱で膀胱壁が薄い症例では術後に再発する可能性が高い。
1982年,第19回国際泌尿器科学会にてGilVernetが膀胱三角部の筋層を縫縮し,両側の尿管口を引き寄せ合う手術を発表し,その手術成績を1984年に論文として発表した1)。この術式は尿管を剥離することなく,膀胱内のみの手術操作であるため,手技的に容易で乳児に対しても試みやすい術式である。しかし,神経因性膀胱によるVURは適応とならないと報告されている。われわれも7例に追試し,3例にVURの消失が認められなかつた。これらの症例を検討した結果,膀胱壁の薄い症例では逆流防止機構の再建としては不十分であることが判明した。
膀胱尿管逆流症(以下VUR)に対する逆流防止術は種々の術式が提唱されているが,乳児や神経因性膀胱を伴う症例に対する術式としてはなお改善の余地があると思われる。乳児に対しては,尿管を剥離して再吻合する術式では尿管狭窄を作る可能性があるために,手術を躊躇されがちである。神経因性膀胱で膀胱壁が薄い症例では術後に再発する可能性が高い。
1982年,第19回国際泌尿器科学会にてGilVernetが膀胱三角部の筋層を縫縮し,両側の尿管口を引き寄せ合う手術を発表し,その手術成績を1984年に論文として発表した1)。この術式は尿管を剥離することなく,膀胱内のみの手術操作であるため,手技的に容易で乳児に対しても試みやすい術式である。しかし,神経因性膀胱によるVURは適応とならないと報告されている。われわれも7例に追試し,3例にVURの消失が認められなかつた。これらの症例を検討した結果,膀胱壁の薄い症例では逆流防止機構の再建としては不十分であることが判明した。
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