文献詳細
特集 術後合併症の診断と対策
文献概要
はじめに
菌血性ショックはグラム陽性菌のexotoxinやグラム陰性菌のendotoxinの毒性因子が原因となり,循環不全をひき起こした病態であるが,最近の感染症の起炎菌としてはグラム陰性菌が大部分であることより,エンドトキシン・ショックの名称が臨床的には広く菌血性ショックと同義的に用いられており,抗生物質が発達した現在でも,一度菌血性ショックに陥るとその死亡率は高い。最近,術前術後管理の向上につれて,臓器許容量の減弱した高齢者やriskの高い症例に対しても積極的に外科的処置を行うようになつたことに加えて,PTCD, IVHカテーテル,動注カテーテルの留置などに起因する医原的な感染機会も増加している。このような感染に際して生ずるエンドトキシン・ショックあるいは菌血性ショックの病態を知ることは治療上有用であると考えられるため,実験的エンドトキシン・ショックによつて得られた成績に加えて,臨床例での菌血性ショックについて検討を加えた成績を述べる。
菌血性ショックはグラム陽性菌のexotoxinやグラム陰性菌のendotoxinの毒性因子が原因となり,循環不全をひき起こした病態であるが,最近の感染症の起炎菌としてはグラム陰性菌が大部分であることより,エンドトキシン・ショックの名称が臨床的には広く菌血性ショックと同義的に用いられており,抗生物質が発達した現在でも,一度菌血性ショックに陥るとその死亡率は高い。最近,術前術後管理の向上につれて,臓器許容量の減弱した高齢者やriskの高い症例に対しても積極的に外科的処置を行うようになつたことに加えて,PTCD, IVHカテーテル,動注カテーテルの留置などに起因する医原的な感染機会も増加している。このような感染に際して生ずるエンドトキシン・ショックあるいは菌血性ショックの病態を知ることは治療上有用であると考えられるため,実験的エンドトキシン・ショックによつて得られた成績に加えて,臨床例での菌血性ショックについて検討を加えた成績を述べる。
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