文献詳細
特集 上部尿路結石の新しい治療法
文献概要
はじめに
尿管に直接内視鏡を挿入して観察することが可能となれば,今までは主としてレントゲンによりなされていた尿管内病変の診断あるいは治療を一層確実かつ安全に施行できるようになる。このため,経尿道的に尿管に到達する内視鏡を開発する試みは古くからあつたが,1970年代後半になり,初めて操作用チャンネルを持ち,腎盂までも到達可能な硬性尿管鏡が出現してきた。もちろん,現在の尿管鏡は10Fr.を越えるサイズで硬性であり,これを尿管という狭い管腔内で使用するためには慎重かつ習熟した操作が要求される。また,尿管口や尿管粘膜の損傷,術後のVUR,尿管狭窄の可能性など幾多の問題点も残されてはいるが,まつたく外科的侵襲を加えることなく直視下に尿管にアプローチできるという点で画期的であろう。
結石の治療についても今までは比較的適応の限られていた経尿道的採石法をより多くの症例で,より安全に行えるだけでなく,直視下であるがゆえに電気水圧衝撃波,超音波などの破砕手段を導入して,以前は手術が唯一の治療法であつた大きな結石をも摘出することが可能となつた。
尿管に直接内視鏡を挿入して観察することが可能となれば,今までは主としてレントゲンによりなされていた尿管内病変の診断あるいは治療を一層確実かつ安全に施行できるようになる。このため,経尿道的に尿管に到達する内視鏡を開発する試みは古くからあつたが,1970年代後半になり,初めて操作用チャンネルを持ち,腎盂までも到達可能な硬性尿管鏡が出現してきた。もちろん,現在の尿管鏡は10Fr.を越えるサイズで硬性であり,これを尿管という狭い管腔内で使用するためには慎重かつ習熟した操作が要求される。また,尿管口や尿管粘膜の損傷,術後のVUR,尿管狭窄の可能性など幾多の問題点も残されてはいるが,まつたく外科的侵襲を加えることなく直視下に尿管にアプローチできるという点で画期的であろう。
結石の治療についても今までは比較的適応の限られていた経尿道的採石法をより多くの症例で,より安全に行えるだけでなく,直視下であるがゆえに電気水圧衝撃波,超音波などの破砕手段を導入して,以前は手術が唯一の治療法であつた大きな結石をも摘出することが可能となつた。
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