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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科40巻3号

1986年03月発行

文献概要

講座 新しい栄養療法

Ⅲ.中心静脈高カロリー輸液

著者: 板倉丈夫1

所属機関: 1富田林病院外科

ページ範囲:P.191 - P.195

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 栄養管理はすべての疾患治療において基本的に必要なものである。低栄養は創傷治癒遅延,感染に対する免疫能あるいは止血機能の低下などの臨床上極めて重要な生体のもつ生理機能の低下を来すことが明らかとなつてきており,栄養管理がその疾患治療の大きな役割を担う場合も稀ではない。
 高カロリー輸液は1968年に世界に先がけてDudrick S.J.が新生児小腸閉鎖例での経静脈的栄養管理に成功して以来,本輸液法は世界各国において施行されるようになつた1)。高カロリー輸液の施行は当初,カテーテル留置,血糖管理などの方法論における各種の問題を惹起し,その解決に大きなエネルギーが消費され,現在では極めて安全に本輸液を施行できるようになつている。一方では本法の施行が各疾患における栄養の臨床的意義を明らかにし,高カロリー輸液法にとどまらず,経腸栄養法の発展へと繋がつた。更にはまた,栄養管理を通じての代謝管理の重要件が明らかとなり,現在では手術侵襲,重症感染症,肝不全,腎不全などの代謝の解明そして,それに基づいた適切な栄養管理法の研究が広くなされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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