文献詳細
シンポジウム 小児パラプレジアの尿路管理
司会のことば,他
著者: 小柳知彦1 福井準之助2 高木隆治3 石堂哲郎4 信野祐一郎1 近藤厚生5 小林峰生5 瀧田徹5 金井茂5 加藤久美子5 小谷俊一5 斉藤政彦5
所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科学教室 2信州大学医学部泌尿器科学教室 3新潟大学医学部泌尿器科学教室 4神奈川県総合リハビリテーションセンター泌尿器科 5名古屋大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.199 - P.215
文献概要
神経因性膀胱の尿路管理の重要性は膀胱機能障害に続発する腎尿路異常が直接予後と結びつく因子であるだけに今さら強調するまでもない程です。殊に対象が長い生涯にわたる幼小児の場合にはさらに強調されて然るべきとさえ思われます。小児神経因性膀胱を来す疾患群は大別して先天性のものと主として外傷性脊髄損傷による後天性のものとがあります。先天性のうちmeningomyelo-celeは生下時既に発見され診断も容易で最も代表的なものとしてこれまで多々討論されてきたものですが,non-meningomyelocele例は髄膜ヘルニアのような顕著な外的所見がなく容易に見逃されやすく診断も遅れがちで,また合併する腎尿路異常はその尿路管理上特殊な問題を与えます。これらの点および小児脊損の問題点についてはこれまであまり注目されていなかつただけに本シンポジウムではこれらを含めて尿路管理上の諸問題を討論していただきました。討論を通じて得られた知見が小児神経因性膀胱の診断と治療にいくらかでも役立てば司会者としても幸甚です。なお,枚数の関係で各演者のすべての論旨を掲載することができなかつたことを深くお詫びします。
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