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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科40巻3号

1986年03月発行

原著

膀胱癌の脈管侵襲について

著者: 田代和也1 吉越富久夫1 和田鉄郎1 大石幸彦1 町田豊平1 山口裕2 古里征国2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室 2東京慈恵会医科大学病理学教室

ページ範囲:P.221 - P.224

文献概要

 膀胱癌の膀胱全摘標本で病巣が確認できた移行上皮癌58症例で脈管侵襲の検討をした。検索は主腫瘍を中心に腫瘍病変部すべて行つた。脈管侵襲の頻度は,リンパ管侵襲が26例(45%),血管侵襲が15例(26%),両者に侵襲が29例(50%)であった。組織学的分化度では,移行上皮癌grade 3のみに38例中29例(76%)の脈管侵襲を認めた。浸潤度別では,pT1が21%,pT2が33%,pT3が90%,pT4が100%であった。腫瘍の肉眼的形態では,papillaryが37%,solidが71%,flatが55%に脈管侵襲がみられた。浸潤様式では,INFαが37%,INFβが53%,INFγが100%に浸潤をみた。転帰をみると,平均観察期間2年7月で17例が癌死したが,15例が脈管侵襲陽性例であつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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