文献詳細
交見室
女性尿道癌の治療について/3次救急での腎外傷をめぐる諸問題
著者: 河合恒雄1 鈴木信行2
所属機関: 1癌研究会付属病院泌尿器科 2福島県立医科大学泌尿器科学教室
ページ範囲:P.256 - P.257
文献概要
女性尿道癌は稀な疾患である上に,組織型が扁平上皮癌,腺癌,移行上皮癌,基底細胞癌など多岐にわたり,組織型別病期別の治療方法を確立するのが困難である。さらにTNM分類にも1974年版ではGyne-cological sitesに記載されていたが,1978年版のTNM分類では尿道癌の項目は姿を消している。現在はGrabstald (JAMA,1966)の病期分類が広く引用されている。biopsyの所見によりGrabstaldの病期分類に従つて,最終的に治療方針をたてるのが最良の方法であろう。近藤論文とわれわれの症例との相違点はTNMで分類した時にみられる。どちらも症例数が少ないから食い違いがでたのであろうが,近藤論文では前部尿道に浸潤癌が多く予後が悪いが,後部尿道癌の予後がよい。
掲載誌情報