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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科40巻4号

1986年04月発行

綜説

画像診断による水腎症の機能評価

著者: 川村寿一1

所属機関: 1三重大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.267 - P.275

文献概要

Ⅰ.水腎症における腎機能の考え方
 水腎症はわれわれ泌尿器科医にとつて日常よく遭遇する病態である。そして,第1に関心をもつことはその水腎症の程度がどれ位で,その閉塞部位はどこで,その原因は何かということである。そのために通常,排泄性腎盂造影(IVP)がなされ,IVP上で造影剤の腎杯,腎盂への出現具合,それらの拡張程度の診断,尿管像の評価,閉塞部位,原因の発見に努めている。これらのことは閉塞性尿路疾患(obstructive uropathy)の評価であつて,腎機能のひとつの面しかとらえていない。
 そもそも腎機能とは何ぞやという問いかけにもなるが,水腎症の腎機能を考える時,このobstruc-tive uropathy)のほかにobstructive nephropathy(閉塞性腎症)としての腎機能が考えられるべきである。この概念には尿路の拡張というよりその拡張のうらにかくされた腎実質機能ということが含まれている(第1図)1,2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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