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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科40巻4号

1986年04月発行

文献抄録

前立腺癌骨転移に対するdichloromethylene-diphosphonateの効果

ページ範囲:P.275 - P.275

文献概要

 前立腺癌の骨転移による疼痛は患者を苦しめ日常生活は大いに制約されるが,現在のところ速効的治療法はない。最近の研究で,myelomaやbrest cancerの骨破壊性転移巣が,2-dichloromethylene-diphospho-nateにより抑制されたとの報告がある。著者らは17例の前立腺癌の骨破壊性転移巣を有する患者に,この薬剤を投与して,その効果を報告している。
 被検症例は42歳から79歳までの17例でX線およびシンチスキャンにより骨転移が確認されている。これら症例中4例はestramastineで治療をうけているが,病状は進行性であり,7例は以前に除睾術をされている。全症例とも癌の骨転移による激しい疼痛を訴えており,うち4例は臥床を余儀なくされている。治療としては,上記薬剤300mgを5%糖液250〜500mlに溶解して,2〜3時間かけて毎日点滴静注を2週間行う。そして退院後は同薬剤を,毎日3.2gを2回に分けて経口服用を4〜11週間継続させる。以上の治療で疼痛に対する効果をみると,6例は1週間以内に疼痛寛解し,2週間以内には10例が疼痛から解放された。臥床をしていた4例は2週間で歩行が可能となつた。また疼痛のため患者が使用していた鎮痛薬(Ketopro-fen)は1例をのぞいて全例使用しないですむようになつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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