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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科40巻4号

1986年04月発行

症例

移行上皮性上皮内癌が併存した原発性膀胱腺癌の1例

著者: 飯ケ谷知彦1 浅野友彦1 塚本拓司1 萩原正通1 鈴木兼一2 西田一己2

所属機関: 1国立栃木病院泌尿器科 2国立栃木病院研究検査科病理

ページ範囲:P.329 - P.331

文献概要

 症例は77歳男性で,原発性膀胱腺癌の診断にて根治的膀胱全摘出術を施行した。膀胱摘出標本の全割面精査による組織学的検索の結果,粘膜下に浸潤した腺癌に連続して移行上皮性上皮内癌を認め,また膀胱粘膜全域にわたりBrunn's nest,cystitis cysticaおよびcystitis glandularisを認めた。原発性膀胱腺癌は従来,腺性化生病変より発生するとされてきたが,以上の事実は,腺癌が,腺性化生傾向を持つた移行上皮癌から発生する可能性を示唆するものである。原発性膀胱腺癌の発生に関して文献的考察を行つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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