臨床泌尿器科40巻4号

1986年04月発行

症例

精索脂肪肉腫の1例

著者： 入澤千晶¹ 西尾彰¹ 水戸部勝幸¹ 高見沢昭彦² 上坂佳敬³

所属機関： ¹市立酒田病院泌尿器科 ²山形大学医学部泌尿器科学教室 ³秋田大学医学部第一病理学教室

ページ範囲：P.337 - P.339

文献概要

　最近当科で経験した精索脂肪肉腫の1例を報告した。症例は54歳，男性，左陰嚢内無痛性腫瘤を主訴として来院した。腫瘤は鵞卵大，弾性硬で表面は不整，透光性はなく，左睾丸，副睾丸は識別不能であつた。
　左高位除睾術を施行。摘出標本は11×13×15cm,836g，病理組織学的には分化型脂肪肉腫であった。術後Adriamycin, Cyclophosphamideによる化学療法を行い，6カ月経つ現在，局所再発，遠隔転移を認めず，健在である。