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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科40巻5号

1986年05月発行

綜説

セルトリー細胞機能

著者: 穂坂正彦1 木下裕三1

所属機関: 1横浜市立大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.349 - P.359

文献概要

はじめに
 特発性男性不妊症は男性不妊症の90%以上を占めているが,現在,治療の方法がない。その理由は,とくにヒトにおける精子形成機構が十分に理解されていないことにある。精子形成機序が解明されることは,治療方法の確立の糸口が得られるばかりでなく,男性生殖をコントロールする意味でも重要である。現状では,ラットを中心とした動物実験は多く認められるが,ヒトに関する情報は極めて少ない。しかし,動物実験から得られた様々な結果はヒトを考察するうえで意義があり,セルトリー細胞培養系の確立とともに,この分野の研究は今日めざましい進歩をとげている。
 近年,セルトリー細胞は精子形成の主役をなす場と解釈されているが,その機能は多岐にわたることが明らかにされつつある。ここでは,男性学の立場から,精子形成に対する男性ホルモンの作用機序を中心にセルトリー細胞機能について述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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