icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科40巻7号

1986年07月発行

文献概要

小さな工夫

T−チューブドレナージを併用した尿管切石術

著者: 大場忍1 東間紘2

所属機関: 1西新井病院泌尿器科 2東京女子医科大学腎臓病総合医療センター泌尿器科

ページ範囲:P.544 - P.544

文献購入ページに移動
 膿腎症を伴つた尿管結石に対し,T−チューブを用いた尿管ドレナージを行い,良好な経過を得られたので報告する。
 症例は29歳女性で,5年前に一度左尿管結石で膿腎症に到り,尿管切石術を受けている。発熱,左背部痛出現し,急性腎盂腎炎の診断にて入院。入院時KUBにて,左腎杯の石灰沈着と左骨盤内に8×5mmの結石陰影を認めた。抗生物質の投与にもかかわらず解熱せず,第10病日逆行性腎盂造影を行つたところ,左尿管の結石部位での完全閉塞を認め,腎エコーで著明な水腎症を認めたため,第13病日尿管切石術を行つた。手術時,結石は尿管口より約4cm上方に嵌頓し摘出後多量の膿が排出されたため,切石部位より4cm上方にシリコン製T−チューブ(4号)を留置した。術後3日間T−チューブより膿排出が見られたが,腎盂洗浄で尿清澄となり,以後経過良く,術後12日にT−チューブ造影を行い,狭窄のないことを確かめ,抜去した.膿よりE.coliが検出され,結核菌培養は陰性であつた。術後3カ月を経過し,水腎症は軽快し尿管狭窄もみられていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら