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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科40巻7号

1986年07月発行

手術手技

一期的尿道形成術—Asopa法

著者: 東原英二1

所属機関: 1東京大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.553 - P.557

文献概要

緒言
 一期的尿道形成術は近年本邦においても多くの施設で実施されるようになつて来た1,2)。一期的尿道形成術は従来の索切除と尿道形成術を二期的に分けた手術方法よりもいくつかの点で優れている。まず手術は1回で終了する点があげられる。二期的手術では索切除によつて半年程度であつても外尿道口がむしろ後退する期間がある。この間患児は完全に女性型の排尿姿勢をとらざるを得ず,精神的に与える影響は少なくないと推測される。できるだけ余分な精神的負担は与えないのが望ましいことは論をまたない。また,Asopa法を含めて一期的尿道形成術の多くは亀頭先端部にまで尿道を形成することが可能である。二期的尿道形成術の代表的術式として本邦で広く行われているDenis Browne法3)やCrawford法4)あるいはその変法5,6)は通常冠状溝に尿道口を作る結果になる。その結果,尿は陰茎先端部からではなく,冠状溝付近より陰茎軸に対してある程度の角度をもつて放出されることになる。衣服を汚さず排尿するためには陰茎を少し上向きにつまみ挙げて排尿することになる。この時,同時に下腹部をつき出し上半身を後ろに引く姿勢となり,不自然な排尿姿勢となる。
 このような二期的尿道形成の術式の欠点に対して,Asopa法では以下のような長所があると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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