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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科41巻1号

1987年01月発行

手術手技

根治的腎摘出術

著者: 小川秋実1

所属機関: 1信州大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.21 - P.28

文献概要

 根治的腎摘出術は腎悪性腫瘍の治癒的手術のための術式である。腎動静脈の血流を遮断したのち,腎を露出させることなくGerota筋膜に包んだままで摘出する。Gerota筋膜内で摘出する単純腎摘出術と異なり,隣接臓器を損傷する危険性が大きい。局所解剖の熟知が確実安全な操作に必要である。
 到達法には,仰臥位で腹部正中切開または上腹部横切開による経腹的方法と側臥位で胸部から上腹部への斜切開による経胸経腹的方法とがある1〜3)。その選択は術者の好みや慣れに基づくことが多い。筆者は,腫瘍が比較的大きく,しかも治癒的摘出が可能と思われるときは経胸経腹的到達法を用いている。以下その手技を解説する。
 隣接臓器の損傷時の対処法や隣接臓器に腫瘍浸潤があるときの合併切除法,またリンパ節郭清法も知らなければならないが,これらは割愛する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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