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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科41巻12号

1987年12月発行

文献概要

手術手技

S状結腸による膀胱拡大術

著者: 長久保一朗1 西山直樹1 森口隆一郎1

所属機関: 1立川共済病院泌尿器科

ページ範囲:P.1031 - P.1037

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 泌尿器科領域における膀胱拡大術は決して多いものでない。その理由としては,尿路結核症の減少と抗結核剤による早期治療の効果があげられる。それに代つて慢性炎症や前立腺TURの術後による萎縮膀胱が散見される。膀胱拡大術には代用品1)などを用いる方法もあるが,腸管の一部を切除して膀胱に吻合し,膀胱容量を増す方がより自然であろう。しかも,回腸を利用する場合2〜4)と結腸を利用する場合とがあり5〜7),それぞれ種々の術式が発表されており,その術式の選択には各人の慣れや好みによることが多く,いまだに確立した術式はない。われわれは,S状結腸が膀胱と近くにあり吻合しやすいこと,S状結腸内の筋肉は回腸よりも排尿力が強いことなどより,回腸膀胱形成術よりS状結腸膀胱形成術による膀胱拡大術を施行して来ている。S状結腸による膀胱拡大術は,1910年代より施行されているが,1955年にMathisen8),1958年のKüss6),1961年のBourque9)といつた方法が発表されている。われわれはこれらの方法と大きな差はないがわれわれの行つているS状結腸による膀胱拡大術について手術手技を中心に述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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